私の左下奥歯付近に潜む白い悪魔がうなりを上げた7月の3連休。

 あまりの痛さに上の歯と下の歯をくっつけることすらできない状態。
奥に巨大な何かが挟まっている・・・

肉眼ではサクランボが挟まっているように見える。 

休日でも見ていただける歯医者さんに行ったところ

「紹介状を書くから平日なるべく早く行ってみてもらって!これひどいよ!」


と、紹介された大きな病院。職場から歩いて15分ほどの東京医科歯科大学。

若い先生が担当でいらっしゃいます。

ええ、存じております。こういうところはアレでしょ。


おやしらずの抜歯程度は若手の練習
なんですよね。


大丈夫!たくさん勉強なさって現役でたくさんの数をこなしてる先生ですもの。
息子とほとんど変わらない年齢ですが優秀でいらっしゃることでしょう。(しかもイケメン)

炎症をとりCTで親知らずとあごの骨、神経との位置関係をじっくり探る。

結果私の親知らずは
・限りなく神経に近いところにあり、うまく抜いたとしても数年麻痺が残る
・あごの骨にめり込んでいるかもしれない

ということが新たに分かりまだ何もしていないのにガクガクブルブル。

先生により見解が違う問題なのですが無理して抜かないでこのまま現状維持で
炎症が起きるたびに病院に行って抗生物質をもらうという選択もあるそうです。

でもいつ炎症が起きるかわからない、しかも重大な病気を引き起こすかもしれない
爆弾を温存するなら取ってもしまったほうが安心、という考え方もあり・・・。

私は神経麻痺が残ったとしても「とる」という選択をしました。
未来に痛く(ひどく)なる可能性があるなら今のリスク(神経麻痺)を取るよ!!!

抜歯の日・・・。酒もほどほどに前の晩はたくさん寝て挑みました。

いざ、抜歯!!!


口を開けて麻酔して・・・

(あぁ・・・前回は2年半前の冬だったな・・・1時間以上の死闘だった)

なんて思い出しつつ・・・今回はさすがに厳重検査の後の判断だから30分以内だろうと
思っていたら・・・

怖くて目を閉じていたのですが15分、20分・・・あれ?まだ?

しばらくすると私の周りがざわざわと・・・

薄目を開けると

若くてかわいい子達がわやわやしている。

んーーどした?どした?w

一人の若い子が(おれ、先生呼んでくる!)って視界から消えました。

残された子たちはひたすら吹き出る血を機械で吸い取ってる。

のど奥にたまに流れ込んでくるのでわかる。

なかなかの出血だ、と・・。

しばらくするとベテラン風の先生が

「すみませんねー、お時間取ってしまって。」

選手交代か?と、期待するもあくまでここは学びの場(???)

ベテラン先生「ほら、ここ切って、違う!真ん中!」

ベテラン先生「こうやって見えづらい場合は思い切ってたくさん切っちゃうんだよ」

ベテラン先生「えぇ?どの方向に砕いたの?縦?横?もう削って掘っちゃおう」


・・・先生・・・迷いがありませんね。私の口の中はどうなっているのでしょうか。

本人が見えないものをたくさんの人に見られる・・・医学の進歩はこういったところから始まるのね。
親知らずを掘り進める若い先生の手元を見ながら

ベテラン先生「ああ、これもうあごの骨かもしれないから、一回レントゲン撮って」

掘削工事中断で止血ガーゼを噛まされつつ・・・

「じゃあ、これ持って地下1Fのレントゲン室でレントゲン撮ってきてください」

って・・・6FからB1Fまで大移動。

レントゲンを見るときれいに親知らずはなくなっていました。

先生?まだまだ削って掘ろうとしてたよね。危なかったね。あごの骨だったってよ。

それよりも歯の治療をしていたのにそこから顎の骨が見えるなんて
素人じゃ思いもしないんだけど・・・。

大きな病院のちょっと安心なところは手伝ってくれる人がたくさんいるってこと。

学びました。

最後縫合をして完了。時間はちょっとかかったね

2時間・・・

でもいいんだ。

おばちゃんを踏み台に・・・たくさん勉強していい先生になってください。

最後にイケメン医師が私の血まみれになった顔を拭いてくれた。

レントゲン室に行くまでの道中、すれ違う人がいろいろ譲ってくれたんだよね。
なるほどかぁ・・・。

そりゃさまざま譲りますよねw